「アメリカ式」でも「フランス式」でもない、私は「何式」だったのか

海外パターンを編むようになって良かったと思うことは、オチアイトクコ氏のいうように「手編みがおしゃれになった」ことではなく(件の本、購入して読みましたが、本当にピンとこなかった)子供の頃から編んでいた自分の編み方が、いわゆる「フランス式」でも「アメリカ式」でもなかった、ということを発見できたということです。
編み方に名前があるということは、なんとなく知ってはいたけど、絵的にそれぞれの流派がどんな編み方をするのか把握したのはやはりyoutubeのおかげです。少なくとも15年前はネットで動画ってこんな一般的じゃなかった。インターネットってスバラシイ。「アメリカ式」を初めて目の当たりにしたときは、あのアクロバティックな右手の動きに瞠目しました。どう表現したらいいのか、右手が目にも止まらぬ早さで針と糸の間をすっちゃかすっちゃか往復してます。どうしたらあんな調子で長時間編めるのか、正直今でも信じられません。
そして、糸を左手に持って編む私は、なるほど「フランス式」なんだなと、「フランス式」の動画をみてみたのです。驚きました。違うんですもの。いいようのない違和感。なんど再生してみても、「表目」も「裏目」も何かが違う。よくよく観察してみると、針への糸の掛け方が違う。「フランス式」の「裏目」の編み方はすごくややこしく、難しそうでした。
私はなんかよくわからないがオリジナルな編み方をしてるっぽいなぁと、特に深く追求することもなく、自分の編み方を続けてしまったのですが、海外パターンを編むようになって出くわした「kfb」がどうしてもできない、というところで、初めて躓きました。

「kfb」とは、日本の編み物本にはまず出てこない編み方です。「knit into front and back」の略で、1目から2目編み出して増し目をする方法。表からみて横に糸が渡るから「bar increase」とも呼ばれてるのを目にします。日本だと増し目は「ねじり増し目」かもしくは「一段したの目を引き上げて増し目」のどちらかです。「kfb」はとにかく簡単なので増し目の方法としては私は一番気に入っています。詳しいやり方はこちら(動画でもたくさん検索できます)。

combinedknit3ポイントとなるのは針にかかる糸の向きです。どうやっても「kfb」ができない原因は、糸の向きが私は「逆」なのでした。手持ちの「毛糸だま」バックナンバーにちょうど、向きを説明している画像を見つけたので載せてみます。「1」が「フランス式」あるいは「アメリカ式」の掛け方、「2」はその逆。私はこの「2」の掛け方をずっとしてきたのですが、これでは「kfb」ができないのです。なぜ「2」の掛け方になってしまったのかは謎です。左利きではありません。子供の頃、編み方は誰かに教わったことはなく(母は編み物より洋裁メインだったので、道具と毛糸はあっても、母が編み物をしている姿をみた記憶はありません)編み物本の後ろの方に載っている図解をみながらこうやるんかいな?と真似したので、そのときに逆方向になっているのに気づかなかったと思われます。

急に興味がでてきて、ならば「フランス式」でも「アメリカ式」でもない私の編み方は、一体「何式」なのかと調べてみたのです。そしたら、ちゃんと名前がついていて、邪道ではありますが、ちゃんと公式に?認められている編み方だということが判明しました。その名は「combined knitting」あるいは「combination knitting」というものです。さしづめ「コンビ式」でしょうか。youtubeでも少数ながら動画が存在しています。このやり方には、大きなメリットと、デメリットがあるのです。その大きなメリットのおかげで私は長年、「コンビ式」を続けてきたのでした。長くなったので、続きは次回に。

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4 Comments

  1. こんにちは、初めまして。
    いつも楽しく拝見しております。大作ばかりで、とてもきれいに編まれていて、いいなあ・・・と思いながら(笑)
    実は私の編み方もどちらでもないと言うことに気が付いて、アメリカの編み図を使い始めて狼狽したのです・・・ 編み目が揃わないのはそのせいなのだと気が付きながらも形にしてしまったりしています。 
    小さい時には、アメリカ式で編んでいました。 あれは疲れますよね(笑)
    いつごろに糸を左手に持つようになったのか・・・ Youtubeで裏編みの糸のかけ方を見てやってみたら、手がつりました(涙)
    続きを楽しみにしています。

  2. Meekさん、はじめまして**コメントありがとうございます^^
    Meekさんも、どちらでもないのですね!「コンビ式」の疑いが濃厚です(笑)。
    実は、自覚なしにこの「コンビ式」ニッターになっている方って、結構いるのでは?とおもいます。
    日本のパターンは、言葉ではなく図解ですから、なんとなく「フィーリング」で真似できちゃう。
    海外のパターンは言葉での説明だから、実際にその通りに実行せざるを得なくて、そこではじめて「あれれ?」と…。
    手がつるっていうの、よくわかります(泣)むちゃやあんなの!
    編み物にこうしなきゃ、はないんだと思います。自分のやりやすいやり方で自分が納得できればいいんですし。
    そう考えて、私は今は「フランス式」になっているんですが、それでよかったとおもってます。
    Meekさんのサイト、拝見しました。これからも遊びにいきますね**

    p.s.「大作」というか、私ニット小物にあまり興味なくて^^;
    カーディガンばっかり編む人ですwカーディガン万歳(笑)

  3. はじめまして(^ ^)
    この記事読みまして、自分もコンビ式だと思いました!
    海外パターンを編んだことないので、気にも止めてませんでしたが、編み目が不揃いだなぁ、とは感じていたんです。
    子供の頃、独学で始めたのでかなり自己流です(^_^;)
    このままコンビ式を貫いていいのかしら⁈
    興味深い記事、ありがとうございました‼

  4. miyacoyaさん、こんばんは**
    コメントありがとうございます^^
    やはりここにも、「コンビ式」がいましたね!(笑)
    私の推測するところ、「隠れコンビ式」は日本にたくさんいると睨んでいます。
    そのまま「コンビ式」を続けてもいいですし、別のやり方に変えても、どちらでもいいんじゃないかと思います。
    ただ、「編み目が不揃いになる」原因を知るきっかけになれたらと思って書いてみた記事なので、miyacoyaさんの参考になれて光栄です。
    この投稿は3回連続なので、良かったら最後まで目を通してみてくださいね^^
    またぜひ遊びにいらしてください**

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