「フランス式」と「コンビ式」、言葉で説明してもなかなか伝わりにくいので、実際に私が「コンビ式」と「フランス式」で編んでみました。水通しもスチームもしていない、ささっと雑に編みっぱなしの状態なので、目がそもそも揃ってない、という正しい突っ込みはご遠慮ください^^;
まず、ウール100%並太、もちもち弾力のある糸で編んだものがこちら(6号針使用)。
この手のしっかりとコシのある毛糸だと、画像ではあまり違いは目立ちませんが、手元にある実物をよくみると「コンビ式」で編まれた編み地は固く、きつく、裏目と表目の段々が見分けられます。
「コンビ式」はアルパカのようにコシがない柔らかい糸だと俄然、本領発揮です。こちらはアルパカ100%の毛糸で編んだ編み地(6号針使用)。
記号をつかって表現すれば、こんな↓感じになってしまっているのが、一目瞭然だと思います。
//////
\\\\\\
//////
\\\\\\
//////
||||||
||||||
||||||
||||||
なんでしょうもうこれは、横編みにして「ナチュラルヘリンボーン編み」のニットにでもしましょうか!
また、裏目と表目が同時に出てくる編み地(=ゴム編み)だとさらに顕著です。このあいだ編んだ、「毛糸だま」のアランカーディガンの模様が、ホソロシイことになっています。
表目と裏目を「同じ条件で編む」ことの大切さを、この編み地から学びました。「コンビ式」ニッティングは、海外では推奨する人もいます。「すばやく均一に、きれいに編める」と(Annie Modesitt氏のサイト参照)。編み方のクセは人それぞれです。「コンビ式」できれいに編めるなら、それは理想的です。ただ、最初に提唱されたのはずいぶん昔のことなのに、いまだこれだけ少数派だということが物語る何かがあります。私の技量ではいうまでもなく。「フランス式裏目」のハードルが高すぎて、「コンビ式」を何となく続けてきましたが、そろそろ限界がきたようです。
「コンビ式」ニッターに明日はあるか、ですが、あるともいえるし、ないともいえます。結論からいえば、私はいまは「フランス式」ニッターです。裏目は、普通に編んでいたら糸が全然引っかからないので、左手の中指で糸を軽く押して角度をつけて、編んでいます。見た目スマートではないですし、「コンビ式」のときより倍くらい時間かかっている気がします。それでも、きれいな編み地で編みたい。
「コンビ式」が間違った編み方だというつもりは全然ないですし、編み物に「こうしなきゃいけない」ルールはないと思ってます。そりゃ、「コンビ式」の編み物指導員の需要は殆どないと思いますが(そもそも、指導員試験をパスしなそう)、趣味でやってるのなら、やりやすいやり方で編めばいい。編み物は楽しんだもの勝ちですもの、誰にでも明日はあります。
余談ですが、編み物ブログをはじめたのは、「フランス式」ニッターになったから、だったりします。私はどこかで、自分の編み方にコンプレックスを感じていたのでしょうか?他のニッターさんと「同じ土俵にたてた」気がしたんですよね。ふと、「コンビ式」で編んだこれまでの作品を全部解いて「フランス式」で編み直してみたい、という衝動にかられます。それは、やめておきますけど(笑)。
読んでいただいてありがとうございました。
にほんブログ村