昭和レトロな「毛糸湯のし器」(時価4,500円)でMadelinetoshを再生してみるの巻

予告通り、先週末ヤフーオークションで落札したシルバー精工製「毛糸湯のし器」の使用レポです。
結論からいうと、「ブラボーーーー!!!」の一言でした。
マ・クベ様みたく、愛おしげに鍋をさすりながら「これは、いいものだ」と言いたくなります(←世代を選ぶ例え話)

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用意した素材はこちらです。Madelinetosh Vintage。
強撚糸なので、つく癖がまた強力で…しかもブロッキングもされてたので、「グロ注意!」領域スレスレな気色悪さです^^;
この糸は、元々は2年前に、水通しまで済ませあとはボタンをつけるだけ、というところまで編み上げていながらどうにも気に入らなくて、未完成のまましまいこまれていたガーター編みのジャケットです。
春先に解くだけは解いたのですが、この先の処理が面倒くさくて、ラーメン玉のまま放置していました。
前回更新では、昭和の編み物用具だから純国産毛糸で試してみたいと書きましたが、
せっかく威力を試すなら、いっそこれだわ!と思い切って毛糸棚から出してきました。

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説明書の通りに、蓋についている2つの穴のうち、一方から糸を通し、裏側についている「ロール」にひと巻きし、反対側の穴から引っ張り出した状態。
慣れるまでちょっと手こずりましたが、2〜3回もやったら簡単にできるようになりました。
この作業の前に、鍋本体に水をなみなみと注いで火にかけておきます。
そう、直火を使うので、要注意です。うっかりすると毛糸を焦がしちゃう危険あり。
「ロール」を「シャフト」のストッパーで固定したら準備完了。

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セットアップはこんな感じにしました。
鍋を中心に、右側ラーメン玉、左側は再生された糸をいれるザル。
(注:生活感あふるる使い込まれたガスコンロは無視してください)
いざ、調理開始です!
右手でラーメン玉から糸を繰り、左手は引っ張ってザルに落とします。動きはとても滑らか。
鍋のお湯が沸騰したら、火はごくごく弱火に。
鍋から若干蒸気が漏れますが、熱さや不快感は感じません。
「ロール」で1回転するだけなのに、驚くほど真っすぐに伸びて現れる糸に、大興奮してしまいました。
もし、出てきた糸にまだ癖が残っていたら、右手で引っ張って反対側に戻し、再度通して蒸します。

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パスタ茹であがりました。(違
ひとカセ蒸すのにかかる時間は10分足らずです。
予想を裏切って、ほとんど手間らしい手間がなく、短時間、やることは引っ張っるだけ。
時々蓋をあけて湯量を確認しましたが、これまたびっくりするほど減っていません。
蒸気がほとんど外に漏れない構造なんだと思います。

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ザルごと玉巻き器のところに持っていき、ささっと巻いたら、完成です。
さあ、ご賞味あれ!(違違

以下、参考記事です^^

・amiamimamaさんの、貴重な使用レポその1その2

お持ちの再生器は、外箱は違いますが同一のものだと思います。
ふたのサイズがやかんにぴったりでうらやましい〜!
うちにはやかんがありません^^;(コーヒーポットならある…)
手持ちの16cm琺瑯鍋でいけるか!と思ったら、まさに同じ直径で、鍋底に沈んでいきました…。
もうあと2mmでも大きければ良かったに!

・m-e meowmyさんの手作り再生器でがんばる記事

時間あたりの再生効率を考えると、毛糸再生専用につくられた「湯のし器」に圧倒的軍配ですが、でも、手近にあるものでここまでやれるのです!
仕組みはすごく単純だから、工夫次第で思わぬ素材を利用して、どうとでもなりそうなところがおもしろいです。

ところで、この毛糸蒸し器を作っていた、編み機で知られるシルバー精工さんは、3年前に倒産しているそうです(悲)
とっくに製造中止になっているものだったとは思いますが、同じ物は二度と作られることはなさそう(><) でも毛糸再生器は、ニッチだけどいつの時代も、必ず需要あると思うんです。 編み物人口は昭和に比べたら本当に減ってしまったでしょうけど、編み物が廃れることはないもの。 糸をほどいて編み直すのは、編み物する人なら誰でもやること。 どこかの会社が、今の技術でもって同じようなものを作ってくれたらいいのにね。 「4,500円払う価値ありましたか?」と聞かれたら、深く頷く「毛糸湯のし器」レポでした^^ にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物へ
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12 Comments

  1. 実家にあったのは 同じ原理でやかんの注ぎ口にはめるタイプでした。物持ちのよい母のことだからと 先日発掘試みましたが 見つかったのはかせくり器と玉巻き器のみ・・やかんに装着できるものだったら それこそ手芸品メーカーでもつくれそうなのに。どこか作ってください。見つけた2点はお持ち帰り。40年はたっているのにまったく問題なし。壊れない物づくりはすばらしけれど、企業としてはペイできないのかなあ・・・

  2. anemoneさん、おはようございます。
    リンク、ありがとうございました。
    そして、レポ‥再生作業時間10分vs私の8時間orz
    昭和の日本人と企業の工業力にはかなわないです。
    だけど、そこの企業で仕事してた人、こんなの仕事で考えて楽しかっただろうなー、と思いました。

    そして、私も更にがんばる所存です。
    いや、おもしろくなってきてしまって(笑)

    できあがった暁には私の釜揚げうどんを丼にいれて写真を撮るのが夢になりました。
    パスタ、いいなあ。
    でも、それ、私にはモンブランにも見えます。

  3. anemoneさん、こんにちは*
    おおーすごい!!威力抜群ですね^ ^ とっても美味しそうなパスタです。←
    先日の記事では一体どのように使うのか、存在自体を知らなかったのでわからなかったのですが、
    こんな画期的な道具があったんですね。
    以前わたしが糸の再生をしたときは、椅子の背もたれに糸をぐるぐる巻きかせを作って
    入った後のお風呂の蓋を開けたまま蒸気を当て3日間放置という方法でした。
    そんなわたしには本当に目からウロコです!勉強になりました〜
    詳しいレポ、ありがとうございました^ ^

  4. レポありがとうございました
    お皿に載った巻き直し後の玉、まるで新品のようではないですか!
    そこにフォークを添えるanemoneさんのユーモアセンス好きです(笑)
    イオンミストのヘアアイロンとか応用して
    今でもできそうな気がするけど…やっぱり製品化しても
    コストに見合うほど売れないんだろうなぁ

    仕手株というのは、あるグループ(仕手筋)が「あれやろう!」って
    取引して株価を乱高下させる特定の銘柄のことです
    (相場操縦と認定されれば、当然違法です)
    全体からみればほんの少しですが、仕手株になりやすい企業ってあって
    シルバー精工はそういう株式でした

    私は自分で株の売買はしないですが、仕事で市場を毎日見てます
    儲かってる人の話は聞くけど、自分には縁がないので悲しいです

  5. anemoneさん、こんにちは♪
    リンクありがとうございました。
    さっそく作業されたんですね~
    私も初めて使ったとき、「こんなんで本当にまっすぐになるのかな?」なんて半信半疑でしたが、やってみたら本当に「ブラボーーー!!!」って感じでしたよ♪
    真っ直ぐになるばかりか、糸が蒸気でふっくらしますよね。
    これは、洗って乾かしただけでは再現できないような気がします。
    これがあると、編み直しの作業もだいぶ捗りますよね!
    anemoneさんのおいしそうな「ウニのパスタ♪」がどんな素敵な作品に生まれ変わるのか楽しみにしています(人*´∀`)+゚:。*゚+

  6. こんにちは

    使用レポありがとうございます。
    すごい!ラーメンがまっすぐに!!効果絶大ですね!!!

    お皿にのった糸玉、私にはバームクーヘンに見えます(*^_^*)
    美味しそうです♪

  7. ご無沙汰しております。
    最近、ほとんど編み物時間が取れないのですが週末は少しずつ手を動かしています。
    今編んでいるのがまさにPashminaのEarl grey
    昨シーズン放置してしまったkim様のBILLIE編んでいます。
    フードの部分をあと20cmくらい編んだら終了です。
    そして・・・
    湯のし器
    侮れない逸品ですね。
    ホントに美しい糸に生まれ変わってるし。
    このearl greyがどんな素敵ニットに仕上がっていくのかも楽しみです。

  8. こんばんは^^
    使用レポありがとうございます。
    私も存在は知っていましたが、やかんの口に取り付けるタイプのものしか見たことはありませんでした。
    いろいろと皆さん再生には工夫をされていたようで
    ラーメン状の糸を蒸し器に入れて蒸す、これは少しラーメンがのこるかもしれませんね。
    私は解いた糸をアイロン台の上に乗せ、ニット専用アイロンの蒸気で蒸し、巻取り、その上から又アイロンの蒸気で蒸すことをして糸を再生しています。多少ラーメン状でも大丈夫です。

    編み直しが普通だった時代は本当にいろいろな知恵が溢れていましたね^^

  9. 昨日今日と本当に寒いですね(>< ) みなさまコメントありがとうございます、とっても嬉しいです!^^ なんとなしケーキのつもりでフォークを添えましたが、モンブランというには色が濃すぎですね。 私も「ウニのパスタ」に1票!(笑) さとちゃんさん、はじめまして** そのやかんの注ぎ口にはめるタイプは、検索した画像で見たことがあります。 とても簡単そうな構造ですから、クロバーが作ってくれたらいいのに!と思います。 (そしたら、私そのためだけにやかん買うわ:笑) 本当に、コストに見合う売り上げが全てですよね…会社って、儲かるものしか基本作らないですからねーー。 むしろ中小企業の方が案外こういうものを作ってくれる可能性が高そうです。 志の高いメーカーが名乗りでてくれないかしらっ! m-e meowmyさん、こんばんは** 8時間(笑)逆に驚いたのですよ、7mを蒸すのに1リットルのお湯を使い、かつ、30分かかるって…やはり、いかに蒸気を効率よく閉じ込めるか、が鍵でしょうか?? (こちらの専用器は、毛糸を通す2カ所の穴からわずかに蒸気が漏れ出てくる感じ) meowmyさんの、今後の奮闘っぷりに大期待!です。 うまく製品化まで持っていって、アメリカで特許とっちゃえ!(笑) 私も、「最初にそれを作った人」のエピソードが大好きです。 NHKの「プロフェッショナルの流儀」でしたっけ…ああいうの、感動してしまって、涙を拭った事数知れず。 シルバー精工もきっと、編み機に情熱をささげた職人がたくさんいたのでしょうね。 つくづく惜しいです。 ricacoさん、こんばんは** ウニのパスタです!!(笑) これ本当に画期的な製品です。使い勝手がいいですから、編み物をするお母さんたちの多くは、常備していたのでは?と想像できます。 お風呂場の蒸気を使う方法!なるほど! (でも、換気扇まわせないですよね?湿気がこもるからカビが心配だ^^;) 毛糸を再生する方法、「カセにして水洗いして干す」以外にも、ニッターさんそれぞれにやり方がありそうですね。 何かしらの参考になれば幸いです^^ でもたぶん、手っ取り早い方法としては、私のように、「毛糸湯のし器」でヤフオクのアラートをかけておくことをおすすめします(笑) なゆたさん、こんばんは** そうなんです、新品同様に生まれ変わってしまいました。 元々、編んでから1度も着ることのなかったジャケットですから、糸自体は新品同様なんですけどね^^; 今回何事もなかったかのような表情の糸玉に、つくづく感心してしまいます。 イオンミストのヘアアイロン!なるほど!! 本当にみなさまからアイデアを募りたくなる気分です。 ヘアアイロンをベースにして、蒸気多め、温度設定とか細かくできるものを作ればいいわけですよね! ならば、東芝とパナソニックに期待!(…全然できません orz) 「仕手株」について、ご説明ありがとうございます。 うまいことやれば、大もうけできる株なのですね(あるいは大損になる可能性も…) 株は本当に、儲けているひとの話を読むと、「才能」が必要らしいですね。 私も無縁です…日々労働して地道に食い扶持を稼ぐサラリーマンですorz amimamimamaさん、こんばんは** ですよね!もうブラボーーーーー!!!って拍手喝采、満場総立ち!!くらいな気分。 本当、おっしゃるように、糸が蒸気のおかげでふっくらするのですね。 そこまで全然期待していませんでしたよ。 これがあると、編み直そうって気になりますね。編んだものをほどく作業がこれ以上めんどくさいことってあるかレベルで嫌いなんですけど、この再生作業の楽さを思えば、少しはモチベもあがります…。 amiamimamaさんが「ウニのパスタ」と言うから、「ウニのパスタ」にしか見えなくなりました(笑) 必ずや、糸の色合いや質感を生かせる作品に仕上げます♪ hiro3さん、こんばんは** バームクーヘン(笑)たしかに、この層状になった感じは、バームクーヘンと通じるものが(笑) 「ねんりん家」のバームクーヘンが大好物です(←関係ない) 効果絶大ですから、解いたあとの作業がこの鍋ひとつでずいぶん楽にはなりますけど、そもそも、「解く」作業自体をやらないにこしたことはありません。 精進します! ギャラリーグリーンさん、こんばんは** お久しぶりですね^^またまた遊びにきてくださってありがとうございます♪ 例の「BILLIE」ようやく完成間近なのですね! あのパターン、私も素敵だなぁと思っていますがパターン掲載本の「PRECIOUS」があまりにもプレミア価格で(さんまんえんとかですよ!!驚愕)とても手が出せません。 他にも素敵なパターン満載ですよねあの本。 3つほど、最近ですが、編み図のコピーをご好意でいただけたのです(泣) 次の編みたい作品がその中のひとつです^^ 現在、糸をオーダーしていて、入荷待ちです。 湯のし器たんは、これ以上ないほど地味な見た目で頼りないサイズですが、まったく侮れません。これからの編み物人生に、この子が一緒だと思うと嬉しいです(><) 「Earl Grey」は本当に素敵で、大好きな色なので、次こそは思う通りの作品に仕上げたいです。パターンは念頭にあります。 紅葉っぽい色でもあるから、それにちなんだ感じのデザインを…。今のところは。 この冬の編み物スケジュールにはもう組み込めないので、来年の秋以降、再登場させます^^ トモさん、こんばんは** 当時の「編み直し」が当たり前だった昭和のお母さんたちは、本当に色々と工夫をこらしていたかと想像します。 「ニット専用アイロン」もとっても興味があるのですが、当然今は製造されていないですよね。 蒸気もたくさん出るでしょうし、温度も毛糸に最適化されているでしょうし、お持ちなのうらやましいです。 昔の、家族のために編み物をしていたお母さんたちのことを想像すると、心が温まります。 まさに、「母さんが夜なべをして〜」のね(笑)

  10. こんにちは、はじめまして。
    startrek88jp(Yahoo!のIDです)と申します。
    突然なのですが、お願いがありましてコメントを書かせていただきました。

    先日押入れ内を整理していて、記事に書かれている「毛糸湯のし器」が
    でてきました。昔母が使っていたものですが、今はもう使うことはないので
    ヤフオクに出品しようかと考えております。

    しかしながら使い方がわかりづらいので(私もこの機器を初めてみたとき
    何のための道具なのか、どうやって使うものなのかさっぱりわかりませんでした(^_^;))

    商品説明の中で、こうやって使用しますという使用方法の紹介・参考例として
    knitlogさまのこちらの記事へリンクを張らせていただきたいと考えているのですが、
    よろしいでしょうか?

    もし差し障りがあるようでしたらお断りしていただいても結構です。
    お返事いただけましたら幸いです。
    よろしくお願い致します。

  11. startrek88jpさま、はじめまして!
    コメントをいただいていたことに気がつかず、承認が遅くなってごめなさい。
    リンクの件は、全然問題ありません。
    何かのお役にたつようでしたら、光栄です。

    1. anemone さま

      startrek88jp です。
      記事へのリンクについてご快諾いただきありがとうございました。
      商品は本日出品いたしました。ヤフオク内で「毛糸湯のし器」
      で検索いただければ一品しかないのですぐわかるかと思います。
      お世話になりました。

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